2009年07月16日

『或る音楽』を観てきました。

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映像/音楽クリエータの高木正勝によるドキュメンタリ映画「或る音楽」を観てきました。
場所は渋谷ユーロスペース。

最新アルバム「Tai Rai Tai Rio」が先月発売されました。
タイトルになっている「Tai Rai Tai Rio」とは「大きく振れ、小さく振れ」という意味のポリネシア語だそうです。
これは京都の祭りで使われる「祭霊祭領(さいれいさいりょう)」の語源とのこと。
新作は自らのルーツを探る旅のようなコンセプトによって作られていて、人類学者の石倉敏明氏により集められた、各楽曲のイメージやテーマに合った神話や民話を収集した小冊子が付属しています。
CDの内容は先行して行われたライブの音源を編集して作られており、ライブアルバムとオリジナルアルバムの中間のような作品です。
「Tai Rei Tai Rio」はライブ、神話集付きアルバム、映画、ビジュアルブック、ウェブサイトと様々なメディアを横断し、多数の関係者による協力のもとで作られた壮大なプロジェクトです。

アルバムの内容や雑誌などに掲載されていたインタビューが興味深いものだったので、映画にも関心が湧いてきました。
本編の他にアルバム収録曲と同タイトルの短編映像2編の上映もあるとのことだったので、久しぶりに渋谷まで足を運ぶことにしました。

短編2編はとても良かったです。
僕は芸術や絵画、映像のことは全く判らないしあまり興味もありませんが、この人の映像は好きです。
とても綺麗なんだけど、ただ綺麗な映像を作ろうとしているのではなく、表現したいものがあるという意思が伝わってくるように感じます。
簡単に言うと、「酔ってない」ということ。
アートとかクリエイティブとか、その言葉や雰囲気だけに酔って、ただ綺麗やだけ、お洒落なだけの中身の無い作品が数多く散見されますが、彼の映像/音楽はしっかり表現としての強度を持っていると思います。
僕はどちらかと言うと過激なものとか斬新なものを好むので、高木正勝のことを好きになったのは自分でも意外でした。
それはやはり、上記のように薄っぺらなアート気取りではない本物の持つ充実度が感じられたからだと思います。
ドキュメンタリーのほうも良かったです。
アルバムの元になったライブとそれに伴うリハーサルの模様、高木氏のインタビューやオフショットなどで構成されていて、アルバムの理解を助ける内容になっていたのでとても参考になりました。

僕はこのアルバムのコンセプトであるルーツを探る、ルーツに戻るという考えに惹かれました。
近代音楽に端を発する、クラシックや現代音楽、ポピュラー音楽としてのジャズ、ロック、ポップス、ダンスミュージックその他現在聴かれている音楽全般は、あらゆる手法が尽くされ飽和状態にあり、新しい音楽を作るのが大変難しい状況になっています。
そんな現状を踏まえて考えると、今、音楽を作る上で原点に立ち返るというのは有効な手段ではないかと思います。
コンピュータに代表されるデジタル技術を手にした現代、最先端の道具を用いて原点に立ち返ってもう一度音楽を作り直すというのは面白い試みだと思います。
古いのだけど新しい、新しいのだけど原点からの出発という、そういう視点で音楽を見つめ直すことは、飽和した現代の音楽から脱却し新しい音楽が作れる可能性があるのではないかと僕は考えます。
そういった理由で、僕は「Tai Rei Tai Rio」というアルバムに興味を持ち、そのドキュメンタリー映画を観に行った次第です。

やはり才能がある人はしっかりと見るべきものを見ている、進むべき方向を知っていると思いました。
高木正勝は真に実力のあるアーティストだと再確認出来ました。

「Tai Rei Tai Rio」特設ページ
http://www.epiphanyworks.net/trtr/

高木正勝 オフィシャルサイト
http://www.takagimasakatsu.com/
posted by daemonjob at 22:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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