2009年11月29日

オペラを聴く。

昨日は恵比寿の小さなスペースでソプラノ歌手の松尾香世子氏の歌を聴きました。
オペラとは全く縁がなくほとんど無知なのですが、ひょんなことから招待券を頂いたので勉強の意味も込めて足を運ぶことにしました。

場所はJR恵比寿駅西口ロータリ付近のArt Cafe friendsというところ。
初めて行くところでした。
内装がとても上品で落ち着きがあって、いかにもアートなお店。
来場者もみんなお洒落で、さすが恵比寿といった印象。
僕は余裕でユニクロのダウン&フリースにニューバランスの履きつぶしたスニーカでしたけど。
1ドリンクサービスだったので飲めないのに白ワインをグラスで頂いて、顔を赤くしながら精一杯酔ってないフリをしながら開演を待ちました。

小さい会場での一人のソプラノ歌手によるライブでしたが、とても良かったです。
松尾氏の声の美しさとパワーに圧倒されました。
オペラだからだと思うのですが、身振り手振りなどを交え表情も豊かに、まるで演技をするように歌う姿は普通のロックやポップスにはないので、新鮮でしかも本格的な感じがしたので良かったです。

今回、特に良かったのがPAを通さない生の歌声とピアノが聴けたことです。
声そのものの魅力、楽器そのものの魅力を堪能できたのは贅沢な体験でした。
CDやデータでは、どんなに録音が良くて高音質でも電気的に再現された音を聴いているのだし、ライブでもPAを使って電気的に音を増幅させ効果をつけた音を聴くことになります。
電気を通さない、文字通りの生の音を聴く機会というのはとても少ないです。

僕はエレクトロニカと呼ばれている音楽を聴くようになって数年になりますが、そのことで自分の音に対するセンシティビティが上がったように感じます。
音そのものに着目し、音を徹底的に煮詰めていくような方法で作られた作品は音に大きな意味があり、音楽というよりは音というよりプリミティブな部分の魅力を再開発しているような作品を聴いてきました。

エレクトロニカを聴くようになったことによる副産物として、僕はクラシックを聴くようになりました。
音そのものに対して興味が湧いたからです。
クラシックと言えば、ハーモニーやメロディが中心ですが、それよりももっと原始的な、楽器の持つ音の魅力とか、もっと抽象化された音そのものに対する
魅力を享受するような意識で聴いています。

松尾氏の歌声はピアニッシモからフォルテシモまでダイナミクスも幅が広く、
歌声による丁寧な表現は歌い手としての技術的な面ももちろんですが、歌声、もっと言ってしまえば声そのものの持つ魅力がとても素晴らしいと思いました。
そういった感想を持ったというのも、最近聴いている音楽の影響が大きいと思います。
電子音楽とアコースティックだと方向性が違うように感じるかも知れませんが、僕にとっては近いところにあって、例えばエレクトロニカとクラシックは近いですが、エレクトロニカとテクノは遠いと感じます。
話が横に逸れますが、その意味で言うと、今年の3月に出た坂本龍一氏の「out of noise」は素晴らしく良かったです。
この手のジャンルも停滞してきた感じある中で絶妙な一手でした。

それからもう一つ、昨日の松尾氏の歌を聴いて、音楽とは感情を表現するものなのだと改めて思いました。
最近は無機質でクールな音楽を聴く機会が多かったのであまり感情の入る余地はなかったのですが、昨日のライブはエモーショナルで暖かみがあって、音楽の持つベーシックな魅力を再認識したように思います。
個人的にはクールなほうが好きですが、音楽とは元々こういうものだったんだということを思い出しました。
とても大切なことを思い出しました。

さてさて、約1時間40分のライブは盛況のうちに幕を閉じ、個人的にも得るものが多かったので行って良かったです。
やはり音楽関係なら、それなりに楽しめてしまうし得るものがあります。
あまり自分の好みにこだわらずに、これからも色々なものに触れてみようと思います。
posted by daemonjob at 23:04| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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